編集長
今回スポットを当てるのは「ユアーズたなか」！いわゆる街のでんき屋さんです！
色んな地方都市で、大型商業施設が増えた事により、個人商店の数が激減したというニュースを見かけたことはありませんか？
これと似た状況に陥っているのが「街のでんき屋さん」です。家電量販店やネット通販が台頭してきたことにより、一時期は苦境に立たされていました。
なぜなら、家電の購入に絞れば、
- 色んな商品を見て買いたい方は「家電量販店」
- 少しでも安く購入したい方は「ネット通販」
という棲み分けになるからです。個人でやられている電気屋さんでは、ウィンドウショッピングするには物足りないですし、価格も高いというイメージがありますよね。
では、このようなネガティブイメージが先行する中、どのようにして生き残っているのか？大牟田市で30年以上続く街のでんき屋さん「ユアーズたなか」にインタビューしてきました。
編集長
今回のインタビュー記事は経営者の方であれば参考になる内容です！特に新規顧客の獲得戦略については、為になるお話をされているので一読することをオススメします！
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ユアーズたなかとは？
ユアーズたなかは福岡県大牟田市にあるお店で、街のでんき屋さんで30年以上の歴史があります。電気屋として幅広くの業務をこなしおり、家電の販売・修理や電気工事関係だけでなく、リフォームやエコキュートの設置なども行っているお店。
また、電気関係の資格取得だけでなく、電気屋さんとして数多くの表彰。地方紙やメディア等の出演もこなしている。
そして、今回インタビューに応じていただいたのは、ユアーズたなかで店長を務める方です。
店長：田中裕一(愛称はゆういっちゃん)
第二種電気工事士や家電総合アドバイザーなど電気・家電関係に関わる数々の資格を保有する。趣味は旅行やカラオケで、カラオケに行くと持ったマイクは離さないだとか…。
編集長
今日は宜しくお願いします！
こちらこそ宜しくお願いします！
店長
【戦略1】徹底的なライバルとの差別化
緊張感が伝わる店長
編集長
まず始めにお聞きしたいのが、家電量販店やネット通販が台頭してきた時、どのよう舵を取ったのでしょうか？
編集長
やはり価格の安さや商品の種類、知名度など、家電量販店やネットにある部分が、街のでんき屋さんには「無い」と感じるのですが！
確かにそうですね。私たちがやったことは、客観的に見て「ない」と思える部分をどうにかするより、私たちに「ある」部分を強化しようと考えました。
店長
編集長
ほうほう。それはどんな事でしょうか？
- 圧倒的なスピード
- サービスの強化
- 商品バースデーの導入
これらが差別化になると考え強化しました。
店長
編集長
むむっ！ちょっと見慣れない言葉もあるので、一つずつ聞かせてください！
圧倒的なスピード
まずスピード感です。お客様からご依頼があればその日のうちに対応します。この部分は街のでんき屋さんだからこその優位性です。
店長
例えば、家電量販店やネットで購入した商品を修理するとなると数日は必ずかかってしまいます。修理の依頼後に、下請けさんや提携しているところにお願いするからです。
店長
ですが、私たち「街のでんき屋」であれば、すぐにお伺いすることができます。
店長
編集長
なるほど！冷蔵庫が故障した時とか、数日も待っていたら中身が腐ってしまうので、すぐに駆けつけてくれるのは嬉しいですね！
緊急を要するほどスピード感の重要性は上がりますからね！ユアーズたなかでは、この部分を強化しており、常時3人体制で動けるようにしています。
店長
編集長
なるほど！まずはスピードで差別化しているわけですね！
小さなお困りごとにも対応する
編集長
小さなお困りごととはなんでしょうか？
そうですね…。分かりやすく言うと、業者に頼むまではないけど、どうにかしたい事ですかね。
店長
編集長
う～ん。イメージが沸かないので具体的に聞かせてもらえますか？
先日あった事例ですが、トイレ交換に伺ったお客様宅で話している時に、天井の雨漏れが気になるからどうにかしてほしいという相談を受けました。
店長
天井を補修する店長
そのお客様は「天井を張り替えるまではない」とのことでしたので、応急処置をさせていただきました。このように、業者に頼むまではないけど困っている事には、積極的に対応しています。
店長
編集長
電気屋さんの範疇を超えていますね（笑）なぜ、このような事にも対応するようになったのでしょうか？これでプラスになるのでしょうか？
正直、売上だけを見るなら、今回の事例は費用をいただいてないのでプラスにはなりません。(お得意様ですので)ですが、これを繰り返すことで、後々に繋がることになります。
店長
例えば、今回のように小さなお困りごとでも、ご相談をうけるようになりますし、それを繰り返せば信頼関係を結ぶことができます。
店長
それが実れば、家電のことだけでなく、当社が行っているリフォームやエコキュートなどのご相談やご依頼にも繋がると考えているからです。
店長
編集長
なるほど！今この瞬間だけでなく、未来を見据えた戦略というわけですね！
商品バースデーの導入
真顔で話しかけてくる店長
編集長
まずお聞きしたいのが、商品バースデーとは何でしょうか？
商品バースデーとは、お客様にご購入いただいた日を家電の誕生日として、お祝いすることです！
店長
編集長
え？お祝いするんですか？
冗談です！
店長
編集長
…え？
冗談です！
店長
編集長
…。(なんでこのタイミングで冗談言ってくるんでしょうか？唐突過ぎてウマい返しができない…。何か喋らないと…。)
商品バースデー訪問カード
コホン！商品バースデーとは、家電をご購入いただいた日から、1ヶ月後・6ヶ月後・1年後とお客様の元へご訪問することです。
店長
編集長
えっと…、本当ですか？
本当です！
店長
編集長
なぜ月日を決めて訪問することを始めたのでしょうか？
１つは、商品の初期不良がないかなどの確認ですね。動作に違和感などがあればすぐにご相談していただきたいので、こちらからご訪問するようにしています。
店長
2つ目は、ご依頼するまではないけど、相談したい事がある人が多くいると知ったからです。
店長
編集長
相談内容を詳しくお聞きしてもいいですか？
よくあるのは家電の位置を変更したいという相談です。設置時は、この場所にしたけど、使っていく内にやっぱりこっちの方が使いやすいから変更したいなどの相談ですね。
店長
編集長
なるほど！確かにテレビや冷蔵庫などの大型家電は、一度設置すると移動させるのは困難ですもんね！
このようにお客様のかゆいところに手が届くのが商品バースデーです。
店長
編集長
確かに！では、ズバリ聞きますが、この商品バースデーの狙いは何でしょうか？
お客様との信頼関係を築くためです。お客様目線から見ても、買った時にしかお世話にならない人よりも、買った後もお世話になる人の方が信頼してくれますよね。
店長
また、経営戦略的に見ても、個人店だからこそできること(大手との差別化)になると考えたので、この取り組みを導入しました。
店長
編集長
なるほど！ありがとうございます。
【戦略2】WEBを使っての新規顧客獲得
目つきが変わってきた店長
新規顧客を開拓するに至って、力を入れたのがネットを使っての集客です。ネットからの集客と言っても幅が広いですが、ユアーズたなかがやった事は以下の３つです。
店長
- SNS(Facebook・インスタグラム)
- MEO対策(Googleマイビジネス)
- 自社ホームページ(成約率重視)
編集長
ふむふむ。なぜこれらを始めたのかお聞かせください！
SNSでの集客
まずはSNSです。導入したのは地域コミュニティ性が高い「Facebook」、若い世代の利用者が多い「インスタグラム」です。この2つのSNSを使って新規開拓を図りました。
店長
編集長
ほうほう、SNSを使ってどんな事をやったんですか？
日々の業務(ご依頼内容)などを掲載しています。(下記参照)
店長
編集長
え？それだけですか？日々の業務を載せるだけで仕事が取れるんですか？
ははは！いやいや、これでは新規顧客を獲得することはできません。
店長
編集長
では、なぜそのような投稿を掲載しているんですか？
これはお客様の認知や関心を狙ってやっていることです。
店長
編集長
…認知？
これはマーケティング的な考え方になるのですが、「人は知らない人に仕事をお願いしよう」なんて思いません。ですので、少しでも知っている状態になっていただきたく投稿しています。
店長
購買心理で考えると、認知(大牟田市で電気屋をやっているユアーズたなかってあるんだ！)、興味・関心(トイレ交換などをしているんだ！)。このような状態ですね。
店長
編集長
なるほど！まずは少しでも目に触れて知ってもらう事を目標にしているわけですね！
MEO対策での集客
次にやったのがMEO対策(Googleマイビジネス)ですね。この対策の肝は…
店長
編集長
ちょっと待ってください！MEO対策って何ですか？
MEO対策とは？
Googleで「地域名＋サービス名」で検索した際、一番上に店舗詳細やマップが出てきますが、ここに表示される施策のことです。MEO対策することで「パッと見」で店舗詳細を確認できる3枠に入ることができます。
編集長
お～、確かにユアーズたなかが入っていますね！入っているのは分かりましたが、これは何かメリットがあるのでしょうか？
単に一番目立つところに表示されるだけでもメリットですが、その他にもめちゃくちゃありますよ！
店長
編集長
ほうほう、例えばどんな事でしょうか？
ざっと、出しただけでもこれくらいあります！
店長
- 購買心理の次の段階に進んでもらえる
- 比較・検討の材料になる
- 今すぐ客の獲得に繋がる
購買心理の次の段階に進んでもらえる
まずはお客様の購買心理に沿ってみると、次の段階に進んでもらいやすくなるということです。
店長
このようにお客様が次に取る行動は「検索」というフェーズです。
店長
例えば、「エコキュートを設置したい」「家電が故障した」ので大牟田市内の電気屋さんを探しているという状態ですね。
店長
編集長
ふむふむ。
この時に、ユアーズたなかはSNSを活用して「認知や関心」の段階を踏んでいるので、お客様が検索した時に、店舗詳細等を見てもらいやすくなるということです。
店長
編集長
なるほど！知っているお店になっている状態だからですね！その為のSNS活用だったわけですね！
比較・検討の材料になる
次のメリットもマーケティング視点のお話になりますが、お客様の購買心理でいう比較・検討もMEO対策をすることで可能になります。
店長
編集長
というと？
お客様がお店を選ぶ時に重視するポイントは色々あります。
店長
- 家から近くにあるお店なのか？
- どんな事に対応しているのか？
- みんなの口コミ評価はどうか？
MEO対策をすることで、これらの情報をひと目で確認できるようになります。
店長
編集長
ふむふむ。
例えば、家から近いお店を探しているという人には、距離で比較してもらいやすくなりますし、口コミ評価が高い方が安心という人は、口コミを見て検討してもらいやすくなるということですね。
店長
編集長
なるほど！MEO対策をして、店舗が表示される3枠に入らなければ、比較・検討の段階がスムーズではなくなるわけですね！
そういう事です！
店長
今すぐ客の獲得に繋がる
最後のメリットが今すぐ客の獲得に繋がるというわけです。
店長
編集長
今すぐ客とは何でしょうか？
すぐに対応して欲しいお客様のことです。例えば、停電してしまって不便なのですぐに対応してくれる電気屋さんを探している場合などです。
店長
編集長
ふむふむ。
店舗詳細には、お店の電話番号が表示されていますし、スマホであればワンタッチで直接お店に電話をかけることができます。
店長
編集長
なるほど！つまり電話番号を調べて…という一手間が減るので、緊急の場合のお客さんを獲得しやすいわけですね！
そうです！また、お店までの経路も出せるようになるほか、スマホであればGoogleマップと連動してお店までのナビをしてくれるようになります。
店長
編集長
知れば知るほど、MEO対策で受けれる恩恵がヤバいですね！
ホームページでの集客
饒舌になってきた店長
新規顧客を獲得する為に一番重要なのがホームページです。ユアーズたながWEB集客をするうえで、この部分に一番力を入れています。
店長
編集長
ホームページですか…、さきほどご紹介いただいたMEO対策で十分ではないのでしょうか？
再三出しているお客様の購買心理のフェーズですが、MEO対策でできるのは比較・検討の段階までです。
店長
なぜなら、MEO対策で行える店舗の詳細情報はあくまで簡易的なものであり、「もっと知りたい」「本当に信用できるお店か確かめたい」と思われるお客様には届かないわけです。あくまで数あるお店の一つという認識ですね。
店長
ホームページは、そんな状態のお客様をお問い合わせまで導くツールになります。逆に言うと、ホームページがないとお問い合わせまで繋がりにくいので、目に見える結果にならないということです。
店長
言葉に熱が入る店長
ただ、注意してほしいのはホームページはあれば良いというわけではなく、重視しておきたいポイントがあります。
店長
編集長
ふむふむ。(グイグイくるな～)
それは何だと思いますか？
店長
編集長
…。(急に質問がきましたね…)
編集長
…う～ん、デザインでしょうか？
20点！確かにデザインは大切です。でも、それはスマホで見た時にキレイに見れるというレベルであれば問題ありません。
店長
もはや感情を隠しきれない店長
ホームページで一番大切なのは「成約率」です！！！
店長
成約率とは？
ホームページにアクセスしたお客様がお問い合わせやサービスを申し込む割合。
編集長
成約率ですか！それは何故ですか？
地域で業種(サービス)を探している人はそれほど多くありません。ましてや大牟田市は人口が減り続けていますからね。ですので、この少ない人数をいかに成約(お問い合わせ)まで導くのが大切になります。
店長
編集長
ふ～む。
何故このような事を言いきれるのかと言うと…実はユアーズたなかも以前は一般的なホームページを持っていました。このホームページでは、対応している業務を掲載していたのですが、お客様の反応が悪く売上には繋がらなかったという経緯があるんです。
店長
しかし、成約率が高いホームページにすることで、お客様からのお問い合わせが格段に増えたので、肌身でその違いを実感しているんです。
店長
編集長
それは説得力がありますね！しかし、同じホームページという括りでもそんなに差が出るんですね！
それは私たちも驚いています。成約率が高いホームページを保有する前後で、最も驚いている事例がありますが聞きますか？
店長
編集長
ぜひ聞きたいです！(めっちゃ言いたそうですしｗ)
ユアーズたなかの事例
感情が爆発して人格が変わってきた店長
それは「逆横ヤリ」です！
店長
編集長
…えっと、なんですかそれ？
以前までですと、お客様に納品予定だった商品を設置する前に、キャンセルが入ることがありました。この時のお客様は高齢者の方で、キャンセルされた方は遠方に住んでいらっしゃるご子息の方でした。
店長
この時の商品は高額だったこともあり、恐らくですがご子息の方にとって、素性も分からない電気屋さんに言いくるめられてかもしれない！という心配からのキャンセルに繋がったと思います。
店長
編集長
ふむふむ。
ですが、ホームページを作った後では、高額な商品が必要な時は「遠方におられるご子息様が、大牟田に住んでいる親の為にユアーズたなかを紹介してくれる」ようになりました。
店長
編集長
凄い！真逆な展開になったわけですね！
そうですね！このような事例があるので、当社が恩恵を感じるだけでなく、仲の良い経営者の方にもホームページを勧めています。
店長
やはり今の時代はホームページはあったらいいではなく、この時代の経営戦略には「必須」なものと感じていますので。
店長
編集長
なるほど～！うまい具合に締めていただきありがとうございます！
手が付けられなくなった店長
それでは、次の事例ですが…
店長
この後も、店長のアツいインタビューは続き夜も更けていった…。なんでもWEB集客で新規顧客の獲得を始めてから、新規のお客様が殺到し、即日対応できない日もあったそうだ。
まとめ
編集長
本日はどうもありがとうございました！
こちらこそお越しいただきありがとうございました。
店長
こうしてユアーズたなかのインタビューは終了しました。
街のでんき屋さんというと一見地味なイメージがありました。しかし、お話を聞くと巨大なライバル(家電量販店やネット通販)に負けないよう経営戦略を立てていることが分かりました。
経営というものは今は良くても、いつかはライバルの出現などで風向きが変わることがあります。そのため、どんな方向転換をするのか？どうやって時代の流れに対応していくのかが重要だと分かりました。
ユアーズたなかが30年以上の潰れない理由、それは自分たちができる事を取り入れて変化していってるからではないでしょうか。
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編集長
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