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【大牟田】発達障害の子どもを持つ親が共有の為に集まる場「自閉症をおもうFIKA(フィーカ)」を取材!
自閉症を思うFIKAってこんな所 |
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今回は、「自閉症をおもうFIKA」の集まりに参加させて頂き、取材をさせて頂きました。
自閉症をおもうFIKAの取材を通じて感じたことは、ネガティブな話し合いの会ではなく、自閉症の子どもとどのようにしたら上手に向き合えるのかを共有するポジティブな会でした。
なので、取材をした時も終始笑いが絶えないアットホームな雰囲気がとても印象的。
そんな会を主催されている古池亮子さんは、どんなキッカケがあり、どういった思いで「自閉症を思うFIKA」をやられているのかインタビューさせて頂きました。
また、より生の声が聞きたいと思い、参加されている方にも、どのような経緯でこの会に参加されたのかをお聞きしてみました。
主催者:古池 亮子
1953年生まれ。元教員。特別支援学校の子どもとの出会いを機に、自閉症への関心を深め、ご家族と話す事を目的とした集まりを15年余り続けている。その間に、日本自閉症協会や日本自閉症スペクトラム学会に入会し、自閉症スペクトラム支援士取得。現在、大牟田市知的障害者相談員を務める。
【主催者インタビュー】自閉症の子を持つおうちの方たちが繋がり、より良いアイディアが出る会になるのが理想
自閉症をおもうFIKA設立のキッカケは自閉症の子の変化
ー今日は取材を受けて頂きありがとうございます!どうぞ宜しくお願いします。
こちらこそ宜しくお願いします。
ーでは、早速ですか取材を始めさせて下さい。「自閉症をおもうFIKA(以下FIKA)」を開催されるようになったキッカケを教えて頂けますか?
キッカケとなったのは、私が特別支援学校(当時:大牟田養護学校)に勤めていた時に出会った(自閉症の)子の変化ですね。
その子の事を知っているのは特別支援学校にいた2年間なんですけど、イキイキした子だったんですよ。色んな事に興味を示したりして。
そして、その子が高等部に上がった時に久しぶりに会ったんです。そしたら生気がなくボーッとしていて…。何にも興味がない・何も目に止めない・自分が好きな事がないように見えたんですよね。
それがもの凄くショックで!
あんなにイキイキしていた子がこんな風になってしまうなんて…と。こんな風にならない成長の仕方はないのかな?という事が、自閉症の事を知りたいと思い始めたきっかけですね。
1冊の本との出会いで会を主催しようと決心!
ーそうなんですね。会を主催されるのは大変だと思うんですが、何が原動力になったのでしょうか?
ドナ・ウィリアムズの「自閉症だった私へ」という本が大きな原動力になりましたね。この本の著者は自閉症の当事者です。
この本を読んで分かったのは、自閉症の人たちは物事の受け止め方が全然違うということ。日常生活でもとっても大変な思いを抱えているんだということで、凄い衝撃を受けたんですよね。
わたし達はわたし達が見ている世界から自閉症の人たちをみて判断しているんだけど、そうじゃなくて自閉症の人が捉えている世界(物事を理解して)から接したり支援したりしていかないと、自閉症の人たちの為にならないんじゃないのか?って思ったんです。
それで、自閉症の子どもさんを育てているおうちの方々とドナ・ウィリアムズの本を一緒に読んで、もっと理解し合いたいなあと思い、声をかけました。
そしたら、色んな方が「いいよ!」と言ってくださって・・この本を読む会なので、そのまま輪読会(FIKAの前身)でした。
そのうち、本を読むよりも、自閉症の子を持つお母さんの日常の困ったことなどを話すことが増えていったこもあり、輪読はなくなりました。その後、理解のあるお寺さんから三池公民館に場所を移し、現在の「自閉症をおもうFIKA」に名前を変えました。
FIKAは発達障害を持つ親の経験が活きる会にしていきたい!
ー今後はどのような会になるのが理想ですか?
発達障害や自閉症の子を持つおうちの方たちが繋がって欲しいのが一番ですね。
ここに来られる方は、発達障害の子が大変な時期を通り過ぎた親も集まられているので、「うちの子の時はこうしてたよ!」と、具体的なアイディアをくれたりします。そういった経験が活かされると嬉しいですね。
ーなるほど。最近Facebookグループを始めたと聞きましたが、そういった輪を広げたいという思いもあるのでしょうか?
そうですね。自閉症や発達障害の子を持つ親の方は、一人で悩んでおられる方が多いので、Facebookグループで発信していくことで、繋がることが出来るかなと思ってます。
ーなるほど。それでは、参加されたい方はFacebookから連絡を取るといいですか?
・お問い合わせ先:onebetterplace114@gmail.com
・開催日:毎月第三水曜日(変更あり)
・時間:19:00~21:00
・場所:三池公民館
・Facebookページ:発達障害つながろ/おおむたFIKA
【参加者インタビュー】FIKAは悩みや思いを共有できる癒やしの場
【長谷川さん】頭ごなしに否定されないので、凄く居心地いい
ーFIKAに参加したキッカケや、どんな所か教えてもらえますか?
私の場合は双子という事もあって、一人が普通に成長し、もう一人は何か違うなぁって思っていたんです。
でも、誰に相談したらいいんだろってずっと悩んでいました。それで行政とかに相談するんですけど、いまいちピンとくる話も聞けなくて、うちでは役に立たないな…って事ばっかりだったんです。
それでFIKAに参加するようになって、古池さんと会って話を聞いてもらうと、(私や子供の事を)否定される事はないし、アドバイスも頂けるんです。それに、他に発達障害の子を持つ親の方からの話を聞くと、自分の中で「あ~、やっぱりそうなんだ!」と納得できる話も聞けるんです。
いろんな情報を得られる事もですが、ここにいる方は誰も否定しないんです。ここで色んな話を聞いたり、喋ったりするんですけど、私や子供の存在も否定されないので、私自身「これで良いんだぁ!」って思う感情が芽生えました。なので、私にとってFIKAは本当に居心地が良い場所です。
ーありがとうございます。「否定される」という言葉が気になったのですが、これはどういった意味でしょうか?
私の場合ですけど、FIKA以外に子供の事を相談しても、頭ごなしに否定される事が多かったんです。
発達障害だからできない事があるのに、向こう(相談先)は出来て当たり前という感覚で仰られるので、温度差があるんですよ。
例えば、よくある子育て相談所なんかで「子供のこういう事で悩んでいるんです」と相談しても、それはお母さん(あなたが)これが出来ていないからでしょ?と言われたりですね…。どこに行ってもそんなニュアンスで言われるので、なんだか自分は役たたずなんだなってすっごく落ち込むんです。
でも、ここ(FIKA)では、そんな事はなくて、子供の悩みを話したら「うちでもあるある!」ってなって、否定されないでアドバイスを頂けたり、共感を貰えたりするんです。
私の居場所がある感じで、すっごく居心地いいんです!(2回目)
ーFIKAの魅力ってなんだと思いますか?
やっぱり「人と思いを共有」できるって事。
あと、いつでも来れる時、好きな時間で来ていいよっていうのが私には凄く嬉しくて。
結構こういう会って「何時から何時まで何曜日」来て下さいって決まってますよね?決まった時間に行けたらいけど、行けないと、結局いかなくなるんで。
【若松さん】その場の話が全部プラスになる
ーFIKAに参加したキッカケを教えて頂けますか?
私は知人の方に誘われたのがキッカケです。
私の子供も学校に慣れなくて、朝一緒に学校について行ってたんです。朝の会が終わる頃まで毎日学校に欠かさず。
それで自閉症の子どもさんを持つ知人に相談したところ、「じゃあ輪読会(後のFIKA)においで!今度、この日にあるから!」と誘われたのが最初ですね。
ーありがとうございます。若松さんは7年間参加されているそうですが、FIKAの魅力ってどんなところにあると思いますか?
FIKAに来られる子供の状態ってみんな違うんです。でも、発達障害だから違う状態ってのは当たり前で、話していると色んな意見がでるんです。
それで、自分の自分の子供と同じところは「あっ!それ分かる」と納得できるし、違う部分があっても「そうなんだ!」と、その場の話が全部自分のプラスになることですね。
【宮﨑さん】学校側の不信感がキッカケで参加
ーFIKAに入る事になったキッカケを教えて頂いてもいいですか?
息子が小学校に上がる時に、学校側から保護者の方が引率して下さいと言われたんです。
それで、毎日学校に連れて行って、一緒に給食を食べてとやっていたんですよ。でも、これって間違ってない?って凄く不信感が出てきたんです。でも、周りの誰にも相談できないし、誰に相談したらいいのかも分からなかったし。
そんな時に、知人の人から、(自閉症の子を持つ親の集まりがあるから)みんなに話を聞いてもらったら?と誘われたのがキッカケですね。
ーありがとうございます。FIKAに参加されて印象深いエピソードなどはありますか?
古池先生に初めてお会いした時に「こういう子どもたちは、宝探しをしているみたい楽しい」って言ってくれたことですね。
自閉症は定形発達じゃないから、色んな特異があってみんないいところがあるんです。それを宝探しみたいと言ってくれたことが凄く嬉しかったんですよ。
そう思って接してくれる先生がもっと居てくれたらいいのに!ってお会いして思いました。
【叶さん】息子の障害や自分の置かれている立場を受容できなかった
ーFIKAに参加したキッカケを教えて頂けますか?
私の場合は、恵愛園という障害者支援施設を通じてFIKA(輪読会)の存在は知っていました。
でも、息子の障害の事とか、今自分が置かれている立場を受容できない時期だったから、全然行けなくて…。それに人前に出て話す余裕もなくて、行って何をすればいいのって?って思っていました。
でも、色んなキッカケがあって前を向かなきゃなぁという思いに変わったから、息子を連れて家族みんなで輪読会に参加して…。今に至る感じかなぁ。
【Sさん】相談に行ってもピンとくるアドバイスを貰えなかった
ーFIKAに参加されたキッカケは何ですか?
私は、娘が中学2年生の時に発達障害という事が分かって。で、別の会に行った事がキッカケでここに繋がったんだけど。
それまでに発達障害者支援センターにも相談に行ったんだけど、アドバイスがピンとこないのよね。あとは、児童相談所にも行ってみたんだけど、話してみて「発達障害について相談するところじゃないな」って事でやっとここに辿り着いた感じかな。
ーFIKAに参加してみてどうですか?
ここなら発達障害の話をしても、理解してくれる方ばかりなので居心地いいですね。
まとめ
以上が「自閉症をおもうFIKA」の取材でした。
参加者の方々全員が笑いながらもお話ができるのは、悩みを共有し、その理解者が多くいるからだと思います。
もし、あなたが自閉症の子どもを持ち、何処に相談すれば良いのか分からない。もしくは、一人で悩んでいる状態なら、誰かに相談する環境があるとプラスになるのではないでしょうか。
そんな時は「自閉症をおもうFIKA」頼ってみてください。
・お問い合わせ先:onebetterplace114@gmail.com
・開催日:毎月第三水曜日(変更あり)
・時間:19:00~21:00
・場所:三池公民館
・Facebookページ:発達障害つながろ/おおむたFIKA